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コラム

女男平等?

もう随分前の話になるが、天皇の戦争責任発言をめぐって銃撃被害にあった元長崎市長の本島等さんが、ある集会で次のようなことを述べていた。
『皆さん、男女平等などと言うけれど、これ自体が既に差別なんですよ。「男女」と、男が先に来ている。本当に平等にするには、女男平等と言わなければいけない。
以前は家族制度の名残で、学校に親が呼ばれる会のことを父兄会なんて言っていた。さすがにこれはまずいだろうと、あるときから父兄会をやめて父母会にした。でもこれだって父が先に来ている。これも母父会(ぼふかい)と呼ばなければいけない。
夫婦もやめて、婦夫(ふふう)にする。
つまり、もう、言葉自体に先後、優劣が決まってしまっている。これも考えないと、本当の平等にはならない。』
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正確には、女男と言っても、今度は女が先に来てしまう。婦夫も同じ。これを避けるために、弁護士会では、先年、「両性の平等に関する委員会」などと委員会の名称を付け替えた。以前は、「女性の権利に関する委員会」だった。その真意は平等にあったので、女性をとって「両性」にしたのである。
「両性」だと、「男女」でも「女男」でもないので、どちらにも偏らない。
「男女」に比べて、「両性」というのは、あまりコナレた表現ではないような気がするかもしれないが、実は、60年以上も前に作られた日本国憲法に、しっかり使われている。
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第24条〔家族生活における個人の尊厳と両性の平等〕
「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し・・・・」
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日本国憲法は、平等の点においても、日本の国をここまで導いてきたものである。ようやく、我々が、日本国憲法に追いつこうとしているところかも知れない。
ただ、日本国憲法第24条は、続けて次のように書いている。
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・・夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
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さすがに「夫婦」を言い換える言葉は見つからなかったのか。本島さんのように「婦夫」でも不十分であるし。
他方では、米国などで、同性愛者の結婚をめぐって議論が起こっている。同性愛者の場合は「両性」はなじまないだろうし、「夫婦」も違う。結婚が、同性間でも認められることになった場合、夫婦や夫妻に相当するのはどんな言葉になるのだろうか。
もともと「家内」や「奥様」、「女房」なども、女性が男性の後であったり、表に出ない存在であることが、そのまま呼び名になってしまったものである。
「主人」や「旦那」なども、全く実態に合っていない。
だから、それぞれをどのように呼ぶのが相応しいのか、極めてやっかいである。そろそろ、真剣に現代に相応しい呼び名を工夫すべき時期に来ているのかも知れない。
以前、離婚調停の席で、ある調停委員が、「夫(おっと)さん」という言い方をしていたことがある。「ご主人」や「旦那さん」という表現を避けたかったものと思われる。
ある高齢の先輩弁護士は、奥様のことを「つれあい」と呼んでいた。
「名は体を表す」のいわれのとおり、新しい名称のもとでこそ、新しい関係が生まれていく気がする。
                                                      (芝刈り)
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